2023年02月27日

多関節ロボットとは

多関節ロボットは、産業用ロボットの一種です。産業用ロボットとは、<産業オートメーション用途に用いるため、位置が固定または移動し、3軸以上がプログラム可能で、自動制御され、再プログラム可能な多用途マニピュレータ*>と定義されますが、まさにマニピュレータのように関節構造を有し、人の腕のように自由にアームを動かせるロボットが多関節ロボットです。

多関節ロボットは、形態や軸数によって以下のように分類されます。

垂直多関節ロボット
産業用ロボットというと、この「垂直多関節ロボット」をイメージすることが多いかもしれません。人間の腕のような形状をしている産業用ロボットで、ロボットアームとも呼ばれ、搬送、加工、溶接、塗装、組立、検査など、多様な用途で利用されています。水平方向に回転するベース部に、鉛直方向に動く複数の軸を持つアームが取り付けてあります。作業範囲が広く、動きの自由度も大きいため汎用性も高く、多様な作業に対応します。軸数は4~6軸が標準ですが、7軸タイプもあります。軸数が多い分、姿勢や動作の範囲が広がりますが、制御は難しくなります。その他の方式に比べ、アームが大きく重いため、機械剛性は低くなります。高速動作させるとアーム先端が揺れることや、オーバシュート(目標点を行き過ぎること)しやすくなります。
多関節ロボットとは

また、少し変わった形態としては「パラレルリンクロボット」があります。このロボットは、天吊りの複数(多くは3本)のアームを並列につないで1つのアームを構成するパラレルリンク構造を採用しており、複数のアームで1点のアーム先端を制御するため、非常に高速な動作が可能です。ただし作業範囲はやや狭く、重量物は扱えません。主に小さな部品や食品などの超高速ピッキングに特化した用途で使われています。

水平多関節ロボット(スカラロボット)
水平方向にアームが動作する産業用ロボットです。このロボットの代名詞といえば、山梨大学の故・牧野洋教授が開発した「SCARA(スカラ)ロボット」(Selective Compliance Assembly Robot Arm」)です。水平多関節ロボットは、3~4軸構成のコンパクトな構造のため、省スペースに設置できます。上下方向の剛性が高く、水平方向では柔らかさを持つため、部品の押し込み作業やピックアンドプレースで活躍します。一方で、垂直多関節ロボットに比べ動作方向がXYZの平面上となるため、斜め方向への動作などは行えません。
多関節ロボットとは

協働ロボット
また最近では多関節ロボットの1種として「協働ロボット」というジャンルも登場しています。協働ロボットは、文字通り「人と"協"調して"働"く」ロボットです。オムロンでは「人と機械の新しい協調」を実現する意味で「協調ロボット」と呼んでいます。協働ロボットは、人がそばにいるときは安全な速度と力で動作し、万が一、人と接触した場合は安全に停止します。一方、人がいない場合には、産業用ロボットに近い速度で動作でき、厚生労働省が定めるリスクアセスメント(労働安全衛生法第28条の3による危険性等の調査)を実施したうえで、安全柵の設置は不要です。

協働ロボットの多くは、移動型の台車に多関節ロボットが載った省スペース構造で、既存生産ラインを変更することなく、必要なラインにロボットを移動できます。アーム手先部のエンドエフェクタを交換することで、さまざまな作業に対応します。機体自体もコンパクトかつ軽量であるため、限られた作業空間や小規模な生産ラインにも導入できます。
なお、多関節ロボットを動かすためには、コントローラやサーボアンプ(ドライバ)、ソフトウェア、安全システム、ティーチングペンダント(ロボットの動作を記憶させる入力装置)などが必要です。これらに加えて各種センサのコントローラを用意する場合もあります。

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Posted by carlson  at 15:41 │Comments(0)

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